ヤッぶっかけめしとカレーライス、丼物
汁かけめし。ああ、怒涛の日本食。
宮崎県、鈴木家の冷や汁。うまいこと、うまいこと、暑い夏でも何杯もくえる。…クリック地獄
「幻の奇書」といわれている『ぶっかけめしの悦楽』(四谷ラウンド、1999年)と、
それにかなり書き足した『汁かけめし快食學』(ちくま文庫、2004年)は、
もとの原稿では「汁かけめしとカレーライス」のタイトルで書かれたものだ。
日本の食文化史とくに庶民の食生活で、
長いあいだ広く親しまれてきた汁かけめしと、カレーライスについてのディスカッションの書だ。
「ディスカッション」は、日本語にすれば「考究」や「論考」といわれるものが近いのかなと、おれは考えているが、
それはそれでややこしいことだから、「ディスカッションの書」が適当だろう。
とにかく、研究書やエッセイやノンフィクションの文芸作品のたぐいをめざしたものではない。
日本に古くからある「複合型融合型美味追求の文化」と「単品単一型美味追求の文化」を対比させながら、
汁かけめしの歴史をあきらかにし、カレーライスや丼物は日本の汁かけめしであるとした。
従来の「カレーライス伝来説」の歴史では、出版物のレシピや外食店の料理やメーカーの歴史などが中心に語られ、
日本の、カレーライスを好んでつくって食べてきた庶民の生活、そこにある食文化の歴史が無視されている。
そういうことについて、「料理とは何か」「料理の歴史とは何か」から掘り起こし、検討を加えた。
「複合型融合型美味追求の文化」と「単品単一型美味追求の文化」は、日本の美味追求の基底となっている文化だが、あまり語られてこなかった。
近代になってから、複合型融合型美味追求の汁かけめしは「下品」とされたことにも一因があるだろう。
偏見であり、無知であり、残念というしかない。
むかしは貴族も食べたものだし、室町時代の武家の間では正式の食法だった。江戸庶民は川柳にまでうたって親しんだ。
近代になって「下品」といわれようと、どんどん広がった。
味噌汁ぶっかけめしをはじめ、各地に伝わる冷や汁やさつまや麦とろ、比較的新しいカレーライス、カツ丼、天丼、牛丼などなど。
たまごかけごはんも忘れてはならない。
さらに朝鮮半島や中国や東南アジアなど各地の汁かけめしも、日本の汁かけめし化している。
なぜ、生活の食事の場に、これほどまでに汁かけめしが広がったのか。
とにかく、うまいし楽しい。「下品」といわれようと、庶民の暮らしの中で、好きなように食べられ広がった。カレーライスは、その一つなのだ。
『ぶっかけめしの悦楽』は、近頃ご要望が多いので、PDF版での公開を始めた。…クリック地獄(2014年7月13日)
ゲッ「ぶっかけめしの悦楽」←『ぶっかけめしの悦楽』の紹介書評集
ちくま文庫「汁かけめし快食學」大研究
内容もくじと発売ニュース関係
『汁かけめし快食學』事項資料一覧
『汁かけめし快食學』絶版
筑摩書房から連絡があって、拙著『汁かけめし快食學』を絶版にするそうです。発行部数9千部。3年間でオシマイ。お買い上げいただいた方には感謝いたします。まだの方は、残部を急いで買わないと、入手不可能になります。(2007年10月2日記)
ブログ版2007/10/03
『汁かけめし快食學』絶版によせて。おれが愛した大衆食……クリック地獄
間違いだらけのカレーライスの歴史を考える
まだまだナゾだらけ
その1 その2 その3
丼物は、汁かけめしの歴史に位置づけられるようになったが、カレーライスについてはまだである。「カレーライス伝来説」ともいうべき、根拠のないあるいは誤った歴史が、依然としてはびこっている。
汁かけめしとカレーライス ま、ようするに、そういうことです
ねこまんま騒動 かくも人びとはねこまんまに興奮する
ぶっかけめしアレコレ 不屈の●●めし ガツンな冷や汁 タイの汁かけめし
ぶっかけめし復権本部 全国のぶっかけめしを知りたいものだ