イリコをつかった冷や汁

タイをつかった冷や汁






ブログ版 夏をのりきる「冷や汁」リンク特集

ガツンな冷や汁

(05年8月30日追記)

下段の記事にあるように、昨年04年9月18日、都内某所で夏バテ回復の「冷や汁会」をやった。つくるのは宮崎市出身のスズキさん。これがまあ、鈴木家伝承と創意工夫の味でうまいのだ。うれしいね、そのレシピが今朝のメールで、約1年ぶりぐらいに、スズキさんから届いた。ので掲載する。みなさま、ゼヒやってみてください、うまいよ〜。しかし、鈴木さん、あいかわらず忙しそうだな〜。どうもありがとう、冷や汁食べながら稼いでおくれ。



エンテツさま

おはようございます。そして1年ぶりくらいでございます!

ホント、1年も経って申し訳ありません。
昨夜、友人からエンテツさんの「冷汁サイト」を見て、どうみても写真がサッちゃんじゃないか、ということでメールをもらって、、、
なんと懐かしの昨年の宴会でした!

そこで、私すっかり忘れていたエンテツさんのお願い、思い出しました。ホント、遅くなってごめんなさい。
新たなサイトに加えてくださいね!!!
去年は、そのままメールをお送りできず大変失礼しました。
きちんと、レシピを書きますね。
そのまま、サイトで紹介できるように書いてます。
それでは、また!

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イリコで作る鈴木家代々の冷汁

1、ゴマをする、

2、イリコをする、(私はゴマと別々にすります)

3、1,2を一緒にして、味噌を加えて、一緒にすりこむ
※味噌は、九州しか売ってない「ちょっと甘めのフンドーキンの合わせ味噌がベスト」

このとき、味噌を火であぶった方がコクがでるよ、という人もいますね。
まあ、少し甘そうな合わせミソや糀ミソなどがよいでしょう。

4、徐々に熱湯、あるいは水を加えて、一緒にする

5、冷汁本体が出来上がり。
※このときの、お味噌の量などは、好みで調節しましょう。
いろんな人に作ってあげてるけど、やはり辛いのがいい人、薄めがいい人、いろいろです。
辛い方が、イリコのパサパサ感がなくなっていいね、という人もいました。

6、刻んでおいたシソ、キュウリを一緒にする
※好みによって、ミョウガ、豆腐などを入れるとよいでしょう。
私の場合、ミョウガは必ず入れます。

鯛で作る高級版、宮崎の蕎麦屋さん「武蔵野」で唯一味わえる冷汁
※これは、うちの親戚の宮崎の超有名な蕎麦屋「武蔵野」の初代おばあちゃんが考案したもので、
10数年前に、ANAの翼の王国にも紹介されました。
(武蔵野は、武蔵野神宮店、本店、東京庵、などいくつかお店がありますが、今は東京庵で夏季限定で食べられます。)

1、お頭付きのタイを1匹買ってきます。魚屋さんで内臓取ってもらいましょう
2、鯛は、丁寧にしっかりと焼きます。ガスコンロの場合は、ホイルを下に敷いて焼くといいでしょう
3、鯛の身をほぐし、すべて取る
4、鯛のアラで、ダシをとります。その後冷やしておきます
5、ゴマをする
6、ほぐした鯛の身を、すったゴマと一緒にして、さらにすり、
そこに白味噌を一緒にしてすりこんでいく。
(京味噌など、甘めの白味噌がおすすめです)
7、これに、さきほど冷やしておいた鯛のアラのダシを徐々に加えていく。
8、冷汁本体の出来上がり
9、キュウリ、シソは、そのまま冷汁本体の中にいれず、ご飯に直接乗せる、その上に冷汁をかける
10、なんとも上品な味の冷汁の出来上がり


<鈴木のコメント>
東京の宮崎料理店や、あるいは宮崎にあるお店で食べる冷汁で、本当に美味しいと思う冷汁に出会ったことが今までかつてありません。まあ、武蔵野以外ですね。
やはり、上記の2つが私にとってはベストな味だと思ってます。
「イリコの冷汁」は、子供の頃から食べ続けています。
アジやカマスを使う人もいますが、まあ、家の周辺「木花」というところでは、イリコを使っていたようですね。
(ちなみに、木花は、巨人軍が春キャンプをやるすぐ近くにある町です)
しかし、普通はイリコダシをとってそれでミソを溶かす人もいるようですが、うちでは、イリコまるごとをすりつぶしていて、それがダイナミックで、なんか、我が家らしいなって思ってました。
「鯛の冷汁」は、20歳台になって、タウン宮崎というタウン誌をやっている頃、冷汁特集があって、いろんな家庭の冷汁を紹介するっていうので、おばちゃんとかに聞いてたら、ぜひ「鯛の冷汁」を紹介したらいいよ、っていわれて。

それで、初代武蔵野の女将、おばあちゃんの冷汁を食べることに!
まるで、庶民の味とは違う、上品な味わいに、ただただ感動でした。
その冷汁ができる秘話、つまりは愛するおじいちゃんの夏バテを解消したい、という愛情の賜物だったりするわけで。
(銀行マンだったおじいちゃんが脱サラして、宮崎では珍しい蕎麦屋を始めた当初の話らしいです)

普通の冷汁を好まない宮崎県民もいるんですよね。実は。ネコマンマみたいだって。そのおじいちゃんもそうだったようで、どうしても元気にしてあげたい、というおばあちゃんが昇華させた冷汁、というわけですね。

イリコのほうは、やはり我が家で子供の頃から食べていたので、やっぱり、ちょくちょく食べるなら、こちらですね。鯛は、何かの特別な集まりの時に作ってますね。
あと、「イリコの冷汁」は、お酒を飲んだ後が、最高にうまいです。去年、立川のミツテルとかいうお店で、飲んだ最後に、この冷汁の汁だけをサービスしているところがありました。

いろいろと話が飛んでしまってすみません!


宮崎の子供時代、うだるような夏の日の朝、起きると食台の上にふきんがかぶせられたすり鉢がありました。
それを見ると、「あ、今日は冷汁!!」と子供心にとてもうれしかった記憶が甦ってきます。
らっきょや沢庵なんかと一緒に、サブサブと食べていたものです。
今は、最愛の祖母、母も他界してしまいましたが、鈴木家の味は私が守っています。安心してね、ばあちゃん、お母さん!


実は、この冷汁のほかにも、鈴木家代々伝わる、想像を絶するような「変わり雑炊、ずし」、いろんな鈴木家独自の料理がまだありますので、いつか、また披露できることと思いますので、乞うご期待!!


ってことで、鈴木家独自料理、期待し気長に待っているから、よろしく〜。



おれはアジを使っていたので、下記の文章は、スズキさんもアジを使っていると思い込んで書いている。が、スズキさんは、上記のレシピのようにイリコでつくっていた。文章は、このままにしておく。

(05年3月28日版)

今日、宮崎で今年もっとも早い桜開花のニュースが流れた。そろそろ夏に備えよう。ってことでもないが。去年04年9月18日どようび、都内某宅で「冷や汁会」があった。

「冷や汁」のことは拙著『汁かけめし快食學』に書いた。冷や汁をめしかけて食べる、ガツンなめしだ。檀一雄さんは『檀流クッキング』に、「鬱陶しい梅雨が明ける頃になってくると、鹿児島や宮崎のあたりでは、家ごとに、お家自慢の「ヒヤッ汁」がつくられる」「暑い夏を迎える勇気がコンコンと湧いてくるような、痛快な真夏の味がする」と書いている。

15年ぐらい前、シゴトがあって宮崎へ何度も行った。長期に滞在することもあって、県下ほぼ全域をウロウロした。そのとき、宮崎の空港や市内で「ヒヤッ汁」を食べた。おなじ宮崎県でも、北の延岡や高千穂の飲食店では見かけなかったようにおもう。東京の延岡出身のひとにきいたら、北の方のひとは、まったく食べないわけじゃないけど、南のひとほどは食べないと言った。南のひとは、夏になると毎日のように食べたとか。でも、いまでは、南のひとも、むかしほどは食べないようだ。

宮崎の「郷土料理」として有名だが、各地に同種あるいは似たものがある。

とにかく、これはうまい、うまくて『檀流クッキング』にある作り方を手抜きして何度もつくって食べたが、手抜きでもうまい。

飲み会で会ったスズキさんと「汁かけめし」の話で盛り上がった。それもそのはず、スズキさんは宮崎市出身で、冷や汁を食べながら育ったのだ。で、スズキさんが作るというので、この「冷や汁会」になった。

スズキさんの実家では、よくやっていたということだ。しかも、ふつうはアジをつかうのだが、スズキさんのオバアサンが考案のタイをつかう「高級バーション」もあるというので、二種類食べることになった。

ゴマをする、その量が、大人数分とはいえ、自分がやるときより、はるかに多かった。うーむ、やはりゴマをたっぷりつかうのだな。

じつは、スズキさんのゴマをするところは、写真のように、ワレワレと飲みながらやっていたので見ていたが、あとは台所に立ってしまい、おれはそのまま飲んでいたので、このあとの作業を見てない。

冷や汁のつくりかたは、各家庭それぞれで、おれが見知っているだけでも、3、4とおりはあるから、スズキさんがどういう方法でやったかはわからない。作り方を書いてメールで送ってくれることになっているのだけど、そのあと海外取材があったり、途中で「ゴメン、いま忙し…」と途中で切れるような激しく忙しそうなメールをもらったまま、はて、いま日本にいるのかいないのか状態。そんなわけで、この掲載も遅れたのだが。作り方は、Webで検索しても、いろいろわかる。

写真上が、アジをつかった、スタンダードスタイル。下が、オバアサン伝授のタイをつかったデラックススタイル。タイのほうが、とうぜん、味がまろやかだね。ドロンドロンした夏の暑さには、アジのほうがよいかも。

どちらも、味噌は同じ味噌をつかっていた。アジやタイは、あぶって、身だけをとり、すり鉢でゴマと一緒にすったようだ。ダシは、魚の身をとった頭や骨でとる方法や、別にイリコでとる方法もあるが、前者だったようにおもう。また、一度冷蔵庫で冷したダシ汁をすり鉢に入れ混ぜ、さらにすり鉢ごと冷蔵庫で冷したようだ。豆腐も入っていたかな。

ゴマをすって、中アジ以下の大きさのアジの開きを焼き、骨ごと丸ごとゴマと一緒にすり鉢ですって、味噌をくわえてすって、冷蔵庫で冷しておいたペットボトルの水をいれて仕上げる簡単な方法もある。

どのみち、味噌は、なるべくなら、あぶったほうが、汁がどろどろして味わいも濃く深いようにおもう。キュウリとシソは、必ずあったほうがよい。味噌ではなく醤油をつかう家もあるが、かなりサッパリした印象になるので、好き好きだろう。豆腐を入れると、ますますドロドロゾロゾロ感が増し、よい。

この日は、「伝統的」にワザワザ麦飯まで炊いて冷や汁をかけたもので、麦飯の味に、ゴマの味、味噌の味、魚の身とダシの味、キュウリやシソの味などが混ざり合い、とてもうまくうまく、そしてガツンガツン残暑もぶっとぶ元気が出た。

とにかく、すり鉢で、簡単にスゴイめし料理ができるのだなあ。もっと全国の家庭で、どんどんやってほしいものだ。夏バテ防止回復にもよいし、酒のツマミにもなる。最近の、すり鉢で、タイ風の味に仕上げる汁かけめしも、いいねえ。どんどんやって、力強くめしをくおう。ぜ。

ウチも、すり鉢を割ったままになっているから、買っておかなくちゃあ。初夏の、ちょいと暑い爽やかな空気の中で食べるのも、エエのだなあ。


ザ大衆食大衆食的ヤッぶっかけめし