オッ、「めし屋」「大衆食堂」の新しい鼓動。か。

(2004年8月30日)
ただでさえ、盛りだくさんで、しかも整理されることなく混沌のるつぼと化しつつある、クリック地獄な当サイトだが、さらに新しいコーナーを設けるのだ。「オッ大衆食の新しい鼓動、か」の感じは、数年前からあった。それは「手づくりカルチャー」といわれたりした。いずれ詳しくまとめるが、ある食のマーケティング専門誌では、2001年に、こう述べて、その動向の特集を組んだ。

「手づくり」がブームである。
といっても、愛情をこめた手づくり料理とか
手編みのセーターとか
たまの休みにウデをふるう本格料理とか
有機農法で野菜をつくるとか
DIYで家具をつくっちゃうとか
家をおっ建てちまうとか
……そういうことではないのである。
じゃあ、今の手づくりって、何なんだ!?

これは、かなり洞察力と想像力のある特集だったと思うし、そして、いまになってよりその動向はハッキシしてきた。それは、どうもこの「手づくり」というのは、かりに手編みセーターでも家をおっ建ててもいいのだが、そういうモノヅクリに本質があるのではなく、「自分なり」や「オレなり」の「価値観の発見あるいは創造や提案」であるというところに、特徴があるようなのだ。それも、広告屋から受け売りのような上っ面のオシャレではなく、不況のなかで力強く育ったような……。まさに「手づくり文化」というにふさわしいだろう。

かつての「手づくり」は、機械工業生産社会以前の「手づくり生産社会」の末端としての、つまり「かあちゃんがよなべをして手袋あんでくれた」時代の「手づくり」であるがゆえに、好むと好まざるとにかかわらず「生産体制」の一環だった。だから、その伝統は、なにかというと「本格」という手の込んだものが尊ばれたし、「本格」を求めることに精神的な満足があった。そしてそれは、その大部分が優れた量産品にとって変わるにしたがい、必然的に生活から遊離し非日常的な趣味的余暇活動的なものへむかった。

が、最近の「手づくり」は、ちょいとちがうのだ、生活のレベルあるいは日常のスタイルとして、鼓動している。おれは、そこに、大衆食の伝統の流れと新しい鼓動を感じるのだが……。ま、リクツは、あとまわしで、このコーナーでは、そんな発見を紹介したり、考察したりしたい。

ごあいさつ、おわり。
   
新しいタイプの食堂探索

とりあえずサワリだけだが掲載しておく。ついであがったら、寄ってみて、なんだか鼓動に触れてみよう。いまの大衆食堂も、もとはといえば、このような家族や少人数の「手づくり」で、生業として始まったのだ。街角にある、こうした新しいタイプの「めし屋」「大衆食堂」を発見してゆきたい。

■条件は生業小経営、ふだんのめしの提供、比較的新しい

アジアのごはんとカレー「ぷあん」…05年8月30日版

飲み食いどころ「太田尻家」…05年8月30日版

大衆自然食堂<伊勢虎>開業記…02年10月21日版

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