フライの謎

(06年7月12日追記)

●謎は深まる。去る6月3日、サイト読者の方から下記のようなメールをいただいた。品川神社に、このフライの屋台が出ることは、品川に住む知人から聞いていたが、まだ行ってみたことはない。このメールによると、下谷神社のものとは、またビミョーに違うようだ。はたして? とにかく、マツシマさん、ありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。


こんにちは。はじめまして。神奈川在住のマツシマと申します。突然のメール失礼致します。
昨日、品川神社のお祭りの境内で「フライ」なるものを食べまして「これは一体何なんだ」と思い、検索してそちらのページにたどり着きました。とても興味深い記述に感動し、研究の力になればと思い、勝手ながら私が食べたフライの報告を致します。
ページに書かれているフライとほぼ同じで、布にはただ「フライ」と書いてあり、形状もあのようなものでした。玉ねぎはどう考えても入っていなかったように思います。うどん粉の味のみでした。そして、お金の払い方(カンの蓋に100円入れる)とかキャベツが入ったソースの置かれ方は同じでした。お持ち帰り用のソースか、金魚すくいの袋にソースとキャベツが入ったものが、屋台の柱にぶら下がっていました。そしてソースなのですが、どうもウスターソースともしょうゆともつかないような味だったように思いますが、中身に気を取られてあまりソースの味を吟味しなかったことを悔やんでいます。
以上。たいした発見はなかろうかと思いますがご報告でした。品川神社のお祭りは明日まで開催しておりまして、フライの屋台は神社境内上がってすぐ右手に入った辺りにありますので、お時間ございましたら調査に行かれるとよいかと思います。
ホームページが膨大でまだ全部読みきれてないのですが、大変興味深いことばかりで興奮気味です。これから楽しみに読ませて頂きます。今後のご活躍期待しています。

●なお、5月7日のコナモンの日に、また下谷神社へ行ってフライを食したのだが、そのときのことはブログ5月8日「コナモンの日にフライを食べ酒を飲む」に報告している。……クリック地獄
(03年5月13日記、撮影は5月10日)

まず日記「2003年3月7日 (金)  同じ名前でちがうもの」を、ここに掲載するので、もう一度読んでもらいたい。少し短くしてある。

今日は、同じ名前でもこんなに違うのかという、驚いた話である。それは「フライ」だ。

フライといえば、エビフライや魚のフライを想像するだろう。ところが、まったく違う「行田のフライ」というものがあり、またそれとは違う、どうやら東京の足立区荒川区あたりにしかなかったと思われる「フライ」がある。

行田のフライは、ようするにお好み焼きのようなもので、もっともシンプルなものは、うどん粉を溶いてフライパンで焼いて醤油やソースにつけて食べるか、砂糖や塩で味付けして焼くかのたぐいで、ことによるとほかの具も一緒にまぜて焼いたり、あるいは具はのせたり、いろいろのようだ。おれが「どんどん焼き」として食べたのと同じようなものらしい。

行田というのは、埼玉県行田市のことで、そこには「行田のフライ」を食べさせる店がけっこうあって「名物」らしい。で、行田だけではなく、近くの熊谷や秩父にも、そのような「フライ」が存在する。家庭でおやつに食べたひともいる。

ところが、東京の足立区荒川区のフライは、エビフライや魚フライのコロモ部分ですな、あれだけを団子状というか片手で握ったくらいの感じのものを串にさして揚げて、ソースをつけて食べるやつなのだ。大阪京都なら、串カツの身のないようなやつなのだ。これは、祭や縁日の屋台に必ずあったものらしい。戦前の話にも登場する。ただし、日暮里あたりから荒川区足立区の一帯で育ったひと以外の話は知らない。

インターネットで調べると、足立区の西新井大師で、最近まで屋台を出してやっていたおばあさんがいるらしいが、トシで屋台のほうはやめ、通販では売っているらしい。詳しいことは、よく調べてないのでわからない。

ともかく、同じ名前で、そんなに違うのも、めずらしいね。ということ。


暖簾には「川口家」と

こうして、おれはまず「文化フライ」と出合った。そして、つい最近、それが5月10日と11日の東京は台東区の下谷神社の祭の屋台に出るらしいとのマルヒ情報をメールでいただいた。

そりゃっと10日に行ってみた。ナント、そして、そして、そして、これが、これも、フライなのだ。しかも、西新井大師の「文化フライ」とは微妙に違うようだ。

そうだ!つぎ! クリック地獄






下谷神社祭屋台
下谷神社の大祭には、屋台がたくさん並ぶ。しかも、その屋台が並ぶ路地には銅板を張った看板建築の長屋が……。03年5月10日撮影。
下谷神社03年5月大祭

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