ザ大衆食トップブログ版日記

若葉食堂
奈良市高畑町1125

(09年11月14日掲載)






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「四月と十月」古墳部の旅の帰り、前夜、奈良市のJR奈良駅近くのホテルに泊まった翌5月25日の昼食は、奈良市内の若葉食堂で食べた。料理研究家の瀬尾幸子さんが一緒だった。

ホテルを10時にチェックアウトするときは二日酔いが残っていた。東大寺、春日大社など、東山の観光定番コースをまわり、志賀直哉の旧宅の前を通って、興福寺南側の三条通りをJR奈良駅のほうへ向かって歩いていた。

すでに13時近かったし、だいぶ歩いたおかげか、腹も空いていた。だけど見えるのは、いかにも観光客相手の食堂ばかりで、イマイチ感興がわかない。JR奈良駅までいけば、駅前には以前に入ったことがある「更科食堂」がある。そう思いながら歩いていると、猿沢の池が見える側に、看板も出てないし飾り気のない食堂があった。「ここにしよう!」簡単に決まった。

外観から店名のわかるものはなかったし、名前を確かめなかったが、画像に「若葉定食」というのがあるから、若葉食堂とでもいうのだろうとおもい、ネットで検索したら、やはりそうだった。

客は、近所に勤めの馴染みらしいおやじが一人だった。店のおばさんとおしゃべりしていた。話題は、たばこと健康と寿命のこと。おやじは、ヘビースモーカーなのだ。

おれと瀬尾さんがしゃべっていると、「言葉が関西の人じゃないようだが」とおやじが話しかけてきた。ちょうど豚インフルの騒動が盛り上がっている最中で、修学旅行は取りやめ続出、近鉄奈良駅近くの薬局には「ただいまマスク入荷!」といった貼り紙があったころだ。おやじも店のおばさんも、観光客が来なくなってとこぼしながら、でもどこへ行っても空いているからいいねと愛想も忘れなかった。

猿沢の池、興福寺など観光の中心地にありながら、素な佇まい、素な内装、素なメニュー。ここも、京都の「山の家」(やまのや)ように、「凡庸の美学」を感じるところだった。

若葉定食は、「奈良名物」の柿の葉ずしと、玉子とじうどんか冷しうどんで880円だった。

腹は空いたが、二日酔いの体調は、まだ完全に回復していなかった。おれは、ラーメン、瀬尾さんは、ワカメうどんだったのではないかとおもう。それにびんビールを一本。元気が出た。


ラーメンのスープは、「やや甘」というか、「まあるいやさしい」印象だった。麺も、中太の丸で、カンスイの味は弱く、ようするに「まあるいやさしい」印象。奈良市に来る前、桜井市あたりをウロウロしながら食堂で食べたものも、「まあるいやさしい」味わいだった。そういえば、景色も、そんな印象だった。呑んだ「梅の宿」という酒も、そんな味わいだった。奈良は、「まあるいやさしい」土地柄なのか?


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