旭野食堂

(06年4月24日撮影)

神奈川県横須賀市 JR横須賀駅前

入ってみたい食堂





ブログ「横須賀風呂会泥酔鎌倉泊熱海よれよれ中野の夜」を参照……クリック地獄

(06年4月27日掲載)

4月24日午後1時ちょい前、JR横須賀駅に降り立った。画家の牧野伊三夫さんから誘いがあって料理研究家の瀬尾幸子さんが会長する「風呂会」に参加するためだ。午後1時に集合し、ようするに横須賀を徘徊し銭湯に入って飲むのである。

観光案内パンフによると、JR横須賀駅は明治22年の開業だ。目の前は、すぐ港。しかし、フツウの港ではない。いまでは海上自衛隊と米海軍が使用する軍港だ。この駅も、軍事が目的でつくられたのだから、駅周辺に町らしい雰囲気はない。

目の前が海で、片側は山、断崖だ。その断崖を背に数軒の建物が並んでいる。その一軒が、大衆食堂なのだ。要衝の地に立つ大衆食堂!

気になる存在だが、なにしろ本日は「風呂会」である。われわれ一行4人は1時に集合すると、すぐ食堂で休憩というわけにもいかず、横須賀市の中心部である京浜急行線横須賀中央駅方面へ向って歩き出したのだった。

って、ことで、ここにとりあえず、外観の写真だけを掲載する。写真左端は、落石防止柵で、「落石注意」の看板が見える。ちと珍しい大衆食堂的風景なり。駅前、落石崖前に、さらに基地前が、加わるのだ。

こちらの写真、食堂の前の海側は、海上自衛隊基地。右へ行くと、米海軍基地で、潜水艦も停泊していた。憲法になんと書いてあろうと、軍港があり軍隊があり、臨戦即応の軍体制を抱えて、日本である横須賀がある。そのことを感じないですむかどうかの違いがあるだけだ。平和と戦争は、となりあわせ。

観光案内パンフには、「旧横須賀軍港を彷彿させる横須賀本港」とあり、米海軍基地には、「わが国近代遺産の宝庫!米海軍基地」「在日米海軍司令部として使用されている旧海軍横須賀鎮守府庁舎」などの説明がある。なんだかまだ日本は米軍に占領されたままではないかと、錯覚?しそうだ。しかし、そのおかげで、歴史的建造物が残っているのかもしれないなと思った。日本の土建屋政府なら、とっくに建て替え造り替えていたに違いない。もっとも、日本人は立ち入ることができないのだから、無くなったも同じだ。

横須賀というと「どぶ板通り」が有名だが、ほかにも路地と山坂が入り組んでいて、とてもおもしろい。一言でいえば雑多な町だ。こういう町では古い大衆食堂も生きやすい。



写真上左。飲み屋街雑居ビル。名前で選ぶなら、どの店にするかなあ〜とかいいながら、細い通路からこの裏側の方へ廻ったら、とてもアヤシイ飲み屋が営業していた。しかしあまりにもアヤシイので入る気がおきない、でも気になる。その前をウロウロしていたら、店の中からジャージを着た見るからにコワイお兄さんが出て来て、「何か、お探し?」というのだった。おれと牧野さんは、シドロモドロに「いえ、その、はい、ここは居酒屋なのですか」とか見ればわかる妙な質問をすると、お兄さんは「ま、そんなもんだね」と妙な答えをし、はやくあっちへ行けという顔をする。モチロンはやくあっちへ行きますよ、と退散した。

銭湯に入って飲むだけではない、タップリいろいろな体験ができるのだった。ウロウロすることは、イマと向き合うことでもあるのだな。


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