わが故郷の老舗的大衆食堂的蕎麦屋
<万盛庵本店>



(2002年11月29日記)

万盛庵


万盛庵
新潟県南魚沼郡六日町田中町
tel  772-3113




外装は新建材など使って変わっているが、なかはほとんど昔の木造のまま。おれがガキのころから、この場所で、こんな、なんとなく猥雑な大衆食堂的たたずまいだった。

そしてメニューも、大衆食堂的である。そもそも昔の田舎町では、蕎麦屋がなんでも飲食店をかねていたのだ。

そして、あくまでも蕎麦屋で、六日町においては結婚式だろうが法事だろうが、とにかく宴会と称するものは、最後は万盛庵の「へぎそば」で〆という伝統があるのだ。

ファンもおおい。どんなぐあいにおおいかというと、たとえば、新潟市と高崎市にいるイトコ同士が、それぞれまったく連絡もなく六日町へ遊びに行き、親戚の家ではなく、この店で10年ぶりに会ってしまうなんていう偶然があるぐらい、ここは故郷そのものなのだ。

そして、ご主人の目黒龍昭さんは「山菜・きのこ名人」で有名、跡継ぎの龍郎さんは「釣り名人」で有名。

そして、その座敷からは、その山の幸と川の幸を象徴するような、六日町のシンボル坂戸山と魚野川が見える。

今年の春、ふらりと入ったら、さっとコゴミの酢味噌和えが出た。うーん、うまい、酒のツマミに最高。酒は、八海山か高千代。酒もうまい。

わざわざでも、六日町へ行き、わざわざでも万盛庵に寄ってみて下さい。ここで、うまいツマミでたらふく飲んで、そばを食べ、泊まりは、ご近所の<ホテル宮又>。ま、その名前はともかく、中身は古い木造に古い畳、昔の商人宿といった雰囲気の、しかし流しっぱなしのいい温泉がある風呂場が、これまた年代モノの旅館で、1泊朝食付4〜5千円。チトつげ義春な旅気分になる。で、やはり、米がうまいから、どんなに二日酔の朝でも食べだすとガツンガツン食えるから不思議。

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