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岡崎武志さんのお言葉

(2002年11月15日記)


最初に宣伝。すでに始まっているが、11月10日(日)まで、「sumus」の同人、林哲夫さん、松本八郎さん、荻原魚雷さん、扉野良人さん、山本善行さん、南陀楼綾繁さんが選ぶ秋の文庫・新書フェアがある。場所は、リブロ池袋店と青山店。テーマは「食をめぐる本」「本をめぐる本」そして各自の好きな分野。そのパンフレットに、岡崎武志さんは、こう書いている。

ふむ、いえ、なにね、活字好き本読みのみなさんは、本だけではなくメシゴトについても、なかなかですね。ガツンガツンきますね。「文庫王」の岡崎武志さんは、こう書いている。

ときどきチキンラーメンが無性に食いたくなる。ちょっと鍋で煮込むと旨さは倍加する。鍋ごと、割り箸を突っ込んで畳にあぐらをかいて食べてると、中村雅俊主演の「俺たちの旅」を見なくなるな。ひとつの食べ物は、旨い・不味い、高級・低級を超えて、それを食べていた背景とからむ物語があるとぼくは思う。本当は、その料理一つだけ取り出してあれこれ言うのは不健康なことだと。

まさに、まさに。ある生活の、もっと大げさに言えば歴史のシチュエーションにおいて、食べることや料理は成り立っているのだ。それなのに一つの料理だけを取り出し、しかもサルでもわかる味くらべだけするなんて、いやそれもときには話のツマによいけど、それが自慢のサシミのタネになっちゃあ不健康も不健康、食文化の貧困だね。そうだ、そうだ。

(追記)
岡崎武志さんには、『ザンデー毎日』で拙著『汁かけめし快食學』の紹介書評をいただいた。…クリック地獄


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