消滅録8


六本木食堂
閉店





(04年11月2日版)


当サイトの読者の方から、次のような「六本木食堂、閉店です」というメールをいただいたのは、先週の月曜日10月25日のことだった。

管理人様

ザ大衆食、いつも見せていただいています。
さて残念なお話。ちゃらちゃらした六本木で由緒正しい定食屋の道をかたくなに守ってくれていた六本木食堂、10/29日で閉店するそうです。
経営者の健康問題とのこと。

「昭和23年に外食券食堂としてオープンして以来〜」と涙無しでは語れない張り紙がありました。

清潔な店内と、丁寧で親切なおばちゃん達、これからいったいどうなるってしまうのでしょうか...
またこうして古き良き時代の思い出が失われます。
今週は毎日通うつもりです。管理人様もどうぞ最後の思い出に足を運ばれてはいかがでしょうか?

以上取り急ぎご連絡致します。


せっかく教えていただいたのに、先週はめずらしくスケジュールがたて込んでいた。とくに28日は恵比寿まで行きながら、六本木まで行く時間がなくなって「最後の思い出」をつくることができなかった。残念。

7月の7日ごろだったか?入ったのだが、まだ次があると思っていた。すでにレポートに書いてあるが、いまになって思えば、いつ閉店してもおかしくはない状態でやっていたのだ。

町の個性をつくってきた生業小経営が、後継者がいないために消えていく事態は、まだまだ続くだろう。そして見た目の派手な目先の流行にフラフラする、たかだか30年かそこらの「寿命」の企業経営がはびこる。

ファミレス、ハンバーガーショップ、ダイエーや西友のスーパー、第3セクター、あるいはコジャレたレストランなど、あげれば切りがないが、それらの浮沈をみれば、なんら国策や銀行の支援を受けることなく、それどころか大規模経営優先の社会で、経済的イメージ的にも不利な立場に立たされながら、半世紀にもわたり自力でやってきた大衆食堂は、六本木食堂も含め、もっと評価されてよいと思う。

大衆食堂が閉店のたびに、何度も言ってきたし、また言うが。大企業経営だけが全てではない、生業小経営だからできることがあるのだ。大衆食堂を、キタナイ遅れたイメージだけで語るのは、間違っている。

でも、なんとなくコキタナイというのも、コジャレだらけた都会の空間で、力強い濃い魅力ではあるけどね。

当サイトに掲載ずみの「六本木食堂」、読者の方のレポートもあります。これをごらんになって、「追悼」といたしましょう。→クリック地獄


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