志げる

さいたま市浦和区北浦和3-1-7
048−832−1580





うーむ、この大きな赤ちょうちんが
たまらなくいいねえ。
マスターがオッパイ料理
http://www.kitaurawa.jp/shops/r013.html


(03年3月2日記)

おれの地元、北浦和駅周辺には、なかなかよいやきとり屋が何軒かある。なかでも、ここ志げるは、人気の店で大きく、おれも気に入っている。

昨年、『週刊宝島』11月20日号で、オススメのやきとり屋を紹介してくれというので、インタビューに応じた。そのオカシナおかしな顛末は、こちらへクリック地獄

オススメというニュアンスとは違うと思うが、自分の酒飲み人生をふりかえってみると、よく行ったやきとり屋がある。それが年代や職場や住まいによってかわる。やきとり屋は、わざわざ行くところではなく、日々の生活のコースのなかで、フラフラと選ばれていたからだ。

ちなみに、宝島では、新宿区神楽坂の「鳥忠」、世田谷区祖師谷の「たかはし」、新宿区新宿駅西口「ボルガ」、東口「鳥田村」、台東区アメ横ガード下「大統領」、そして、この「しげる」である。鳥忠とたかはしは、主に1960年代、ボルガと鳥田村は70年代から80年代だが、この時期一番足しげく通ったのは、市ヶ谷にあった養老の瀧と新宿のボルガで、鳥田村は常連というほどではない、養老の瀧が無くなっているのと、全体的にヤキトンが多いのでバランスをとる意味で、鳥料理の鳥田村を入れたのだ。そして、最近は大統領と志げるである。

しかし最近でも、鳥忠とボルガとたかはしは、けっこうついでがあって行っている。たかはしは、先週も行ったが、いま建替え中のプレハブ仮店舗営業、なんだかやきとりというのは、ちゃんとした建物よりプレハブのほうがいいなあ、と笑ってきたばかり。

「やきとり」というがヤキトンがほとんどであり、これは平均的庶民飲兵衛におけるやきとりの実態だろう。やきとりは、鳥料理屋によって普及したというより、安い赤ちょうちんのヤキトンによって普及し、近年「鳥」のやきとり屋が気どったホンモノ顔をするようになった。なんだか、カレーライスにおける黄色いジャガイモのカレーライスとインド料理のカレーライス風の関係に似ている、いやらしい構図である。ヤキトンのやきとり、あのクサイものを立派にうまくくわせる、これこそ料理ではないか。



というわけで、ここ志げるは、エライ! 従業員一同、ブタの絵入りの赤いTシャツを着て、トン料理を誇りにやっている。店内のガラスの冷蔵庫には、丸ゆでのブタの頭があって、すべて食べられてしまう。トンメニューも豊富。ギョーザもうまいねえ。このブタチャンの首のつけねあたりを焼くとカシラというわけだけど、それを塩で焼き、辛子味噌をつけてくうのがなかなかコイイ味わいでうまい。これは70年代に市ヶ谷の養老の瀧で覚えたのだけど、埼玉県下では、どうやらこれが「主流」らしい。



やきとりを焼くのは、まだ若い、だけど年季の入った女店長。店内は、いつも活気にあふれている。このあいだ、このブタの頭のそばのカウンターに陣取って飲んでいたら、あとから来て隣にすわったオヤジが、「ここはいいよ、おれは毎日だよ、いいよなあ」といいながら、飲んでいた。シアワセというものだろう。ああ、けっこうけっこう。ホッピーもあるでよ。

(04年9月6日記)
この若い女店長は、結婚退職した。子供も生まれる。前に何度か、夜中に近所の飲み屋で彼氏とデイトしているところと出っくわしたのだが、その彼氏と無事に結婚したらしい。なかなか好青年だった。よかった、よかった。

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