阿つみ食堂
台東区浅草1-34-9

(04年3月8日版)


(04年3月8日記)

昨日7日、浅草へ行ったついでに、改装後の写真を撮ることができた。入り口の黒板には、ランチセットメニューが書いてある。寒ぶりてり焼セット 八九〇、さば味噌煮セット 六九〇、カキフライセット 一〇四〇、ロースとんかつセット 九九〇、自家製カレーライス 七〇〇、とある。「自家製カレーライス」というのが気になったが、今回は入っている時間がなかった。

前回入ったときには、↓下の記事のときには見かけなかった、↓一番下の記事の94年5月当時のオバサンがレジのところにいてアンシンしたのだった。

ついでに書いておくが、地下鉄銀座線浅草駅の地下街を通ったら、「カレーのひぐち」はシャッターが下り、「しばらくのあいだ休みます」の貼り紙がしてあった。どうした? オヤジ、元気か?


改装! よくなったねえ〜

(03年10月5日記)

浅草へ行って阿つみ食堂の前を通ったら改装して、グーンとよい感じになっていた。なんていうか、以前の浅草観光地食堂っぽい小飾りな雰囲気から、普通の素朴な街の大衆食堂らしい趣きである。もちろんボロな味わいではない。新しいできたての大衆食堂というのは、こうなんだろうなと思わせるものである。

全体を白木天然木調で統一し、暖簾は前より大きくなり、白地に堂々と「食堂」の二文字。ショーウィンドーを見ると、新サンマ、子持ちカレイなどの定食に、おかずの小鉢各種のサンプルをズラリ並べ、定食と定番メニューを力強くアピール、いっそう大衆食堂らしくなった。

というわけで、時間があまりなかったのだが、思わず入ってしまった。なかも変わった。カウンターの位置をかえ客席を増やし、そしてあくまでもシンプルに。全体的に骨太の感じ。小泉首相の「骨太」はカッコウだけだが、ここは本当に「骨太改革」か。いいねえ。

新サンマとカボチャ煮の小鉢付定食に、ご祝儀代わりに名物の玉子焼(厚いダシ巻)をフンパツ、エーイ祝改装だ生ビールも飲んでしまえとやってしまった。大衆食堂とはいえ、浅草駅前だから、観光地値段で1700円は仕方ないね。味噌汁も下町の味だし、なんだかうまくめしが食べられたなあ。よかったよかった。

浅草へ行ったら寄って見てほしい。こういうとこでシッカリめしをくうってのは、観光のときでもいいものさ。あれこれ小鉢を頼んで清酒をヒヤで飲んでいるオヤジがいた、鳥の巣頭の若い男2人がビール飲んで定食を食べていた、近所の現場から来たらしい労働者が定食を食べていた、オバサンはオムライスを頼んでいた。こんど行ったときには、おれも小鉢で飲んで、オムライスにしよっと。そうだ、ぜんまい煮があるから、あれも食べてみたい。

どうやら代替わりしたらしい。以前より若い中年のご夫婦が仕切っていた。カメラを持っていなかったので写真はない。外食券食堂時代からの食堂らしく、朝9時からの営業で朝飯もくえる。


03年3月16日掲載

サバ味噌煮と味噌汁の味噌の味が記憶に残った

先日、ある人と話をしていたら、その人が前に通勤の途中に浅草の「阿つみ食堂」をよく利用していた「いい食堂ですよね」という話になった。そこで、この忘れていた写真を思い出した。

浅草には古い大衆食堂がたくさんあった。阿つみ食堂も、その一つである。立地が、馬道通り東武浅草駅松屋デパートの真ん前だから、見た目はコギレイな「観光地駅前食堂」風に変わったし見えるが、たしか外食券食堂か民生食堂だったことがあるぐらい古い大衆食堂であり、メニューはサバの味噌煮や焼き魚など大衆食堂している。といっても、ここは健在だが、最近は前を何度も通っていながら、まったく入ったことがない。

ここの味噌味は、浅草や向島のあたりの食堂に共通する独特のあじがする。そういう意味でも、まさに地場の大衆食堂なのだ。

写真は94年5月。当時「大衆食の会」はなく、おれが「大衆食堂で会おうかい」とやっていたころの、そういうことでここで会ったうちの1人、嶋岡尚子さんが撮ったものだ。



台東区浅草1-34-9
阿つみ食堂レジ
おれたちがめしをくっているときにホームレスが入ってきて、このおばさんが、とてもうまく対応して外へだした。とても慣れている感じで、いい印象だった。(写真の客のオバサンは関係ない)

『大衆食堂の研究』にはこう書いた。……下町ジャンク地帯、台東区浅草。浅草駅前といっていい位置にある。由緒ある大衆食堂。場所柄観光地の食堂の感じで、いかがわし度1である。きわめて清潔といおうか几帳面さがうかがえる店。客席と調理場のあいだが両側に扉をつけたボックスを重ねたようなつくりになっていて、上げ下げのものが見えないよう独特の工夫がされている。味は「下町の職人風」である。やはり場所柄すざましい恰好と異臭の「ホームレス」がふらふら入ってくるところがいい。それを高齢で小柄で品のいいおばさんがとてもうまく捌いて、店の外に出す。「ホームレスとともにある街の暮らし」をうかがわせる。


とにかく、客席と調理場は厳しく分けられていて、ほんのわずかな窓が通じているだけ。店内からは調理場へ出入りできない。上げ下げのものは、ピカピカに光っているステンレスのボックスを通して行われる。

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