表紙は、浅生ハルミンさんのイラストが金箔押しで。
浅生ハルミンさんは、なかのイラストも描いている。いい雰囲気。
編集長・佐藤真、デザイン・河合千明。
編集・発行=たばこ総合研究センター[TASC]、制作=アルシーブ社
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おれエンテツは。素直に、二本書いている。
酒蔵ルポ「風土と市場そして宿命と技術……高千代酒造を訪ねて」
…… もう「名人」については食傷気味だった。広報課の模範解答のような話ではなく、取材なれした話ではなく……と考えると、私としては、高千代が気になるのだった。「結局ネ酒飲みは微生物の排泄物を飲んで酔っているんですよワッハッハ」という笑う酒造りの人の話や、メーターやボタンをやめて試行錯誤で取り組む酒造りを知りたかった。……
というコトで、どこの酒蔵にしようか迷った挙句、故郷の有名ブランド「八海山」のカゲに隠れて10分の1以下生産量の弱小酒蔵だが「八海山」の酒と甲乙つけがたいと評判の、杜氏を含め5人で酒を造る高千代酒造を訪問したのだった。なかなかよい話が聞けた。そして、おれにしては、素直にうまく書けた。約20枚にまとめた。清酒好き飲兵衛写真家、武井メグミさん撮影の写真も載っている。
エッセイ「浴びるほど飲む人はどこにでもいる……酔いたい、酔うために飲む飲兵衛の存在」
PDF版で全文ご覧いただけます…dan_shikohin_world_sake.pdf へのリンク
…… いま試みに「致酔文化」という言葉を使ってみた。ま、感じとしては悪くないが、辞書を調べたら載っていない。でも、そういう感じの文化、ありますよね、そのココロ、わかってもらえますよね。ほら、飲んで、酔いたいのですよ。酔いを招くために、飲むのですよ。つまり、酒の致酔作用に身をまかせるココロですね。……
というコトで、約20枚。タイトルどおり、トコトン安酒酔っぱらい礼讃。おれにしては、素直におもしろく書けた。
「一クセも二クセもある19人の酒飲みが現代の「酒」について語り尽くし、執筆しました」と編集部がいう顔ぶれと内容は。
■アルコオロジィ……(酩酊)の哲理
〈インタビュー〉酒、うちなる祝祭――酩酊の現象学
山崎正和(LCA大学院大学学長、兵庫県立芸術文化センター芸術顧問、劇作家)
〈対談〉「のんべえのクオリア」
鷲田清一(大阪大学副学長)×茂木健一郎(ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー)
嗜好品としての酒――その二律背反性と「知」を育む力
高田公理(武庫川女子大学教授)
酒をめぐる古代ギリシアの祭儀――葡萄の樹、狂気の神ディオニュソス
楠見千鶴子(作家)
酩酊の形而上学
山内志朗(新潟大学教授)
酩酊論
澤野雅樹(明治学院大学教授)
祝祭都市とバッカナーレ
田之倉稔(演劇評論家)
■酒のフードロジー……食と風土の詩学
〈対談〉ワインとコーヒー、風土がつくる味の世界
玉村豊男(エッセイスト、画家)×堀口俊英(〈株〉珈琲工房HORIGUCHI代表取締役)
風土のなかのワイン――グローバル化でみえてきたワインの姿
福田育弘(早稲田大学教授)
ワインと葡萄畑が織りなす美味しい景観
――あるいは世界遺産サン・テミリオンの文化的景観とその保全的刷新について
鳥海基樹(首都大学東京大学院准教授)
〈ルポ〉小布施の酒を世界ブランドに――セーラ・マリ・カミングスさんの酒造奮闘記
斎藤夕子(フリーライター、編集者) photo:武井メグミ
■醸造のテクネ
〈ルポ〉風土と市場そして宿命と技術――高千代酒造を訪ねて
遠藤哲夫(フリーライター、大衆食の会代表) photo:武井メグミ
〈インタビュー〉酒を楽しむ極意
小泉武夫(東京農業大学教授)
■酒のカルチュラル・スタディーズ
未成年者の飲酒はなぜ禁止されたのか
青木隆浩(国立歴史民俗博物館研究部助手)
酔っぱらいとマルチチュード
毛利嘉孝(東京芸術大学助教授)
浴びるほど呑む人はどこにでもいる――酔いたい、酔うために飲む飲兵衛の存在
遠藤哲夫
■味覚、複雑化としての酒
〈インタビュー〉酒におけるコクとキレ
伏木亨(京都大学農学研究科教授)
辛口化か食生活の変化か――変わる酒と食の相性
宮地英敏(九州大学附属図書館付設記録資料館助教授)
味覚の主体化のために……ワインのグローバル化から考える
杉村昌昭(龍谷大学教授)