うまい!自家製手づくりコンニャク

(2002年11月2日版)

コンニャク畑ひと月ほど前、10月のはじめに、小鹿野町(埼玉県)へ行った。秩父市からバスに40分ほど乗って、町役場の前でおりたのだが、そこで乗り継ぐバスの時間まで2時間以上もまたなくてはならない。クアパレス小鹿野で温泉にでも入ろうかと、ぶらぶら歩いていると、畑の一隅にコンニャクが植わっている景色に出会った。

原産地が南の地域だからか、なんとなく南の島の木を盆栽にしたような、大人のひざうえの丈である。

小鹿野町の全域でよく見る光景だが、自分でコンニャクをつくる家が多く、店でもコンニャクイモを見かける。この植え方も、自家用か近所の店に出す分ぐらい。群馬県西部のような大量栽培大量生産用の大きなコンニャク畑はない。

コンニャクイモが採れるまで5年ぐらいかかる。そのコンニャクイモを水のなかにすりおろし、火にかけかきまぜ炭酸ソーダをくわえ、てきとうな粘度のところで型にする、最後に大量の水で煮立てアクぬき、というような作業で出来あがり。

できたてのコンニャク
その日訪れた家でもちょうどコンニャクができたてだった。コンニャクは、ふつう味がないように思われているし、実際に都会のスーパーなどで売っているものは、ほとんど味がない。だが、この自家製手づくりコンニャクは、ほんのり旨味があって、とてもうまいのだ。もちろん水のよさも関係するだろう。これを刺身で、あるいはサッと煮たりして、酒のツマミにすると、もうけっこうけっこうで、酒がどんどん飲めます。

しかしコンニャクも、いまや「国産原料使用」などと表示があるぐらい、輸入原料がのしている。ま、「本場」や「正統」好きは、原産地域のあちらのイモがよいというのかも知れないが。なんともはや。


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