むさしや (2002年8月31日記、写真は30日撮影) |
いろいろシミジミ考えさせられることの多い食堂である 荒川区京成成田線新三河島駅近く。住所を控えてない。新三河島駅の改札を出ると正面は明治通りである。そこを左、つまり王子方面へ向かう。道路の左側の歩道を歩くわけだが、数10メートルのところにある。 初めて入ったのは、数年前だ。竹屋食堂のオヤジが、「うちよりワーストがあるよ」と言った。「ワースト」とは見た目のことである。 かつての竹屋食堂の常連の自称後援会長が「竹屋食堂は見た目は都内ワースト3に入るけど人情は1番だよ」と言ったことによる。竹屋食堂は京成成田線の高架下にあり、5分ぐらい歩けば新三河島駅だ。 そこで、当時テレビ番組の制作を一緒にやっていた演出家とアシスタントと、3人で行ってみた。なるほど、スゴイ。暖簾は色あせて擦り切れているし、明治通りぞいということもあってか、建物は古いうえに煤煙でだろう汚れきっている。店内は部分的倉庫、部分的食堂空間といったアンバイである。だが入ってみると、外観とはまったく違って、明るい食堂なのだ。それに居心地もよい。 われわれは、やきめし、玉子スープ、カキフライなどを頼んだ。やきめしは、ここの人のよさそうなオヤジが「うちのやきめしはうまいよ」と自慢したからだ。玉子スープはわれわれが座ったテーブルで食べていた工員風のニイサンが、自分で食べていて自分の自慢の品であるかのように「これは、オススメ」と言ったからだ。カキフライは冬でシーズンだった。 でてきたら、まずボリュームがすごい、ワイルドである。やきめしには具がゴロゴロ入っている、スープにも玉子や野菜やゴロゴロ入っている、カキフライも大きいのがゴロゴロ。 われわれは、それを口にして、まず顔を見合わせた、そして一緒に声をあげた。「うまーい」 ニコニコ顔のオヤジが側に立って満足げに、「うまいだろう」と言った。 見た目の建物からは想像できないうまさ。いや、そもそも、食堂の見た目と味などは関係ないのだが、そのことをあらためて思い知らされた。 なぜ、この食堂が明るいのか。その理由の一つは、わかる。ご夫婦が、明るいのだ。じつに楽しそうに仲良く仕事をしている。その様子を見ているだけで、気分よくなるのだが。 でも、それだけではないような気もする。まだ行った回数が少ないためもあってか、わからない。 とにかく、じつにシアワセな気分になれる。じつに、いろいろ考えさせられる食堂であるのは、確かだ。 大衆食堂系一覧 |